清水区内:I様宅屋根瓦葺き替え工事

築後40年近く経過しているお宅です。屋根瓦は,清水産のいぶし瓦です。高温で焼けていない瓦なので,冬の寒さにたえられず,瓦が凍てていました。施主様にご説明申しあげたところ、①いまの屋根瓦の総重量より軽くなるようなら、現在の和瓦に葺き替えて欲しい。②しかし板金・トタン屋根は困る。③カラーベストは軽いが色がすぐあせるので、困る。そのため,①の三州産陶器瓦和型瓦(焼成温度は最高1,200度)で葺きなおすことになりました。桟瓦は,1枚が2.8㎏と軽いのですが,屋根瓦の全重量となるとかるいとは言えません。総重量を減らすために,「棟の厚のしは使用せず7寸丸の棟に変える。」という案をだし,施主様から,合理的な案だと同意を得ました。
改修前の写真です。


 

PICT0088駒越西の伊藤邸屋根替え 屋根瓦葺き替え工事前 shukushou.jpg

PICT0153伊藤邸 瓦工事準備 縮小版.jpg


写真は,清水で製造されましたいぶし色の和瓦で、紐付袖瓦で施工されています。昭和40年当時は、最高級品の瓦と言われました。ところが1年、2年で瓦の裏面がぼそぼそとめげてくるのがわかり、数年後には表面排水できなくなり、その需要が激減していきました。

安全に施工すべくまず足場を設置した後この屋根瓦をすべて解体して,下におろしトラツクで産業廃棄物の中間処理場まで運びます。


PICT0158伊藤邸足場架け 縮小版.jpg

PICT0169伊藤邸瓦屋1部降ろした後の現状1 縮小版.jpg


PICT0157伊藤邸 1F瓦外し 縮小版.jpg

軒先の広小舞の新規物に取り換えます。既存の広小舞の腐食が激しくのぼり木も一緒にかえました。


PICT0176伊藤邸 広木舞取り付け中2 縮小版.jpg


次に,ゴムアスファルトルーフィングを敷き込みます。やぶけにくいゴムアスルーフを貼ります。

PICT0162伊藤邸1階屋根ルーフィング  縮小版.jpg

のぼり木取り付けP4270008.JPG

新しい三州産陶器瓦「銀嶺」の利き足に従い瓦棒をうち、瓦揚げ・瓦配置をします。4トン車が入れないので弊社倉庫に一旦瓦を置いてから、弊社2tに載せ替えて運びました。


PICT0196伊藤邸2F瓦揚げ・配置 縮小版.jpg

瓦揚げした後、軒先の広小舞に軒台(軒先プラ面戸)をとりつけます。


PICT0201伊藤邸1階屋根瓦配置 縮小版.jpg


軒瓦の施工は,軒瓦の尻にステンレス釘で2本止めつけ、桟瓦は、ステンレス釘各1本でとめつけます。

P4270012 満十軒瓦の施工 ステンレス釘2本で止めつけ 縮小版.jpg


P4270003 桟瓦の施工2 釘1本止め 縮小版.jpg

棟瓦=7寸紐丸の施工ですが,棟は,900間隔に強力棟金具SX95を取り付けます。さらにその上に樹脂製角をビスで取り付ける。

P4290006 棟に強力棟金具の上に樹脂製角取り付け 縮小版.jpg

南蛮漆喰を十分な量を挿入後,7寸紐丸をパツキン付ステンレスビスで,止めつける。

7寸丸 ステンレスビス2本止めP4290008 shukushou版.jpg

この様な工法は,「ガイドライン工法」と名ずけられて、この工法なら震度7クラスでも耐えられる最新の棟工法です。葺き替え工事の完了した写真を掲載いたします。


PICT0238伊藤邸屋根瓦葺き替え工事完了 縮小版.jpg


玄関横の屋根新工法P5010027 縮小版.jpg


次は各個所の納まりですが、まず下屋根の上り土居のしの納まりです。2段目ののしが飛び出さないよううに新規板金でのし瓦を隠します。棟尻と外壁との取り合いも掲載します。


P4300016 のぼり土居のし 新雨押え2 縮小版.jpg


P5010019 棟瓦と外壁との取り合い 新雨押え3 縮小版.jpg


桟瓦の取り付けには,ステンレス釘L=50mmで瓦の上から止めつけます。


桟瓦にすてんれす釘1本打ちP4270006.JPG


袖瓦の取り付け方は、瓦の上からパツキン付ステンレスビスL=75mmで止めつける。以前は銅線でとりつけてありましたが、銅線は腐喰しやすく、切れてしまうため今は使用しません。

P4290004 袖瓦施工 P付ステンレスビス止め 縮小版.jpg

屋根瓦葺き替え工事終了後施主様から高床敷きの建物の鉄骨外柱が、塩害で錆びてきており、どうにかならないものかと相談されました。鉄骨の下部から錆びてきておりました。それが、下の写真です。


PICT0239伊藤晏達邸鉄骨の柱 縮小版.jpg


施主様と相談して、住宅の外装のようにモルタルで鉄骨の柱を巻き、「リシンカキオトシ」の模様で仕上げてみたらという施主様のご依頼を申し請けました。いろいろ考えました。そこで、鉄骨屋さんにH鋼の空間を鉄板でかくしてもらい、その上からメタルラスを取り付けてもらいました。


PICT0269伊藤晏達邸H鋼に鉄板取り付け 縮小版.jpg


PICT0273伊藤晏達様宅H鋼に鉄板取り付け後ラス取り付け  縮小版.jpg

PICT0275伊藤晏達様宅角柱にラス取り付け 縮小版.jpg


H鋼と角パイプ(角柱)にメタルラスを施工しましたら,次は左官さんがモルタルの下塗りをします。
材料を水を入れて混ぜます。つなぎ役の「ビッグサンド」に注目です。砂は,海砂が、昔はいったり
して強度が出なかったために、その変わりとして使用されたとのことです。


PICT0288左官材料;ビツグサンド 太平洋セメント 縮小版.jpg


PICT0289モルタル作成中  縮小版.jpg


下塗りした状態です。

PICT0298伊藤邸H鋼モルタル巻1,2、縮小版.jpg


下塗りした他の柱も掲載します。


PICT0299伊藤邸H鋼と角柱のモルタル巻1.2.3.4.縮小版.jpg


下塗りの工程が終了したら、中塗りです。さらにラスを巻き、強度をもたせながら,モルタルを丁寧に塗ります。

PICT0303伊藤晏達邸角柱中塗り完了 縮小版.jpg


PICT0304伊藤晏達邸角柱左官中塗り完了 縮小版.jpg


左官工事の最後のリシンカキ落とし模様の作成にかかります。モルタルを再度塗り、掻き落しの準備をします。仕上げ塗りです。

PICT0309リシン仕上げの上塗り1 縮小版.jpg


左官職人の最後の腕の見せ所というと大げさと思いますが,掻き落しの柄を付けた施工写真です。


PICT0309リシンカキオトシ模様付け0 縮小版.jpg


カキオトシの下部は,模様の中に細かい硅砂が入ると困るので、カキオトシは、地面に近い個所は行わず、中途からスタートしました。


PICT0310リシンカキオトシの模様4 縮小版4.jpg


PICT0311リシンカキ落とし模様付け3 縮小版3.jpg


カキオトシが終えたら、防水性を高めるために塗装工事に入ります。塗装工事の為にペンキ屋さんが入るのならほかの個所もついでに補修してくださいということで,高床式住宅部分の破風板の塗り替えと、本宅玄関の鼻隠し部の塗り直しを依頼されました。


リシン掻き落しの上から下塗りをいたします。

PICT0346伊藤邸高床式住宅のリシンカキオトシの上から下塗り 縮小版.jpg


仕上がりの色(=上塗り)を塗ります。


PICT0348伊藤邸デツキプレートケレン・錆び止め・上塗り 縮小版.jpg

PICT0355高床式住宅の柱ペンキ仕上げ 1.jpg